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文学少女の世界(番外編)

2010年 08月22日 16:41 (日)

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製作中だった天野先輩が完成したので、スナップ風にポートレートを撮影してみました。

イメージとしては・・・文学少女の放課後、ってな感じで。



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今回は原画の水彩画っぽい淡いイメージに近づけるため、使用色はブラック、ホワイトを除いては全て
クリアーレッド、クリアーブルー、クリアーイエロー、クリアーオレンジで調色しました。
(フレッシュは例外ね)

ふんわりしたいい感じに仕上がってくれたと思いますが、もう少し軽めでもよかったかな?

色が中々のってくれず、時間がかかりましたが、満足の行くできとなりました。

文学少女の世界(第4回)

2010年 08月16日 01:03 (月)

“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)
(2007/04/28)
野村 美月

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オペラ座の怪人 (角川文庫)オペラ座の怪人 (角川文庫)
(2000/02)
ガストン ルルー

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盆休みのおかげで一気に二回分更新できましたが、やはり古典は読むに疲れる・・・
『嵐が丘』しかり、今回の『オペラ座の怪人』しかり、海外ものって冗長すぎねぇか?と思うのですが、
そんなこと言ったら叱られますかね。

さてさて、物語も中盤第4回、まずは、多数の推理物などに引用されだれもがご存知の『オペラ座の怪人(ファントム)』から。

あらすじは

時は19世紀末パリのオペラ座。
ここでは従業員の不審な首吊り自殺、支配人への脅迫状、シャンデリラの崩落事故と不幸が立て続けに発生していた。
人々はその背後に、オペラ座に住まう「ファントム」の存在を噂していた。

さて、そんな事件の渦中、ファントムが脅迫状で異常な執着を見せていた女優クリスティーヌが突如行方不明に。
クリスティーヌを想い続けていたラウル子爵は「ペルシャ人」の力を借りて、「ファントム」が住まうとされるオペラ座の地下へと潜入する。
そこで2人が見たのは「ファントム」の狂気が作り出した世界。
「ファントム」が繰り出す数々の罠を潜り抜けた先で見たものは・・・。

といったおどろおどろしい内容ですが、
最後の最後、「ファントム」とクリスティーヌが交わす言葉は、
嵐の暗闇を光の閃光が払いのけるような美があります。
あくまで闇でありながら、光の世界を望んだ「ファントム」の存在は今なお、読者の心を捉えて離しませんねぇ。


さて、『文学少女』これまで心葉に華麗にスルーされてきたななせに(ようやく)スポットが当たります。
作中、誰が「クリスティーヌ」の「ラウル子爵」なのか、誰が「音楽の天使」たる「ファントム」なのか、
難易度がそれほど高いわけではありませんが、今回は候補者が複数人いるので、推理を楽しめる内容かと。

心葉のトラウマとなっている「美羽」もベールが一枚一枚はがれてきて、次回はいよいよ?といったところ。
いよいよ佳境に差し掛かりつつあります。

☆4.0

文学少女の世界(第3回)

2010年 08月12日 00:12 (木)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)
(2006/12/25)
野村 美月

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友情 (新潮文庫)友情 (新潮文庫)
(1947/12)
武者小路 実篤

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さて、書評文学少女の世界も3回目、今回の中心人物は主人公心葉の友人、芥川です。

題材は白樺派の旗手武者小路実篤の代表作『友情』です。

概略は

脚本家を目指す主人公野島は或る日出会った友人の妹杉子に惹かれる。
野島は親友の大宮に心のうちを打ち明け、これに理解を示した大宮は野島と杉子の間を取り持とうとする。
ところが杉子が愛を向けたのは野島ではなく、大宮であった。

これに気づいた大宮は芸術の極めるためと一人欧州に旅たち、杉子の想いを断ち切ろうとする。
野島は杉子の大宮への思いに気づきながらも、杉子へのやまれぬ思いから、ついに結婚を申し込むがにべもなくあっさりと拒絶されてしまう。

打ちひしがれる野島の元に、欧州の大宮から手紙が届く。
そこにはただ、「自分の執筆した同人誌を見てほしい」とだけ書いてあった。

同人誌の内容は杉子から大宮へ自分の心情を切々と訴える手紙。
それに対し、野島への友情を裏切るわけにはいかぬと拒絶する大宮の返信。
それが幾たびも続き、ついには葛藤の末、杉子を受け入れる二人の交信記録だった。

これを見た野島は大宮の欧州土産のベートーベンの仮面を砕き、大宮に返信を書く。
苦心したであろう大宮に対する同情心、杉子と友人を失ったことに対する失望と怒り、そして自分から杉子を奪った大宮に対する決別と挑戦の意思を込めて。

と、『友情』は古きよき時代の青春小説です。
三角関係という泥沼展開ですが、杉子の純真、大宮のストイックさ、そして野島の激情と、起伏の烈しい内容ながら読後感は悪くないです。
むしろ、大宮に対する恨みを述べるでもなく、挑戦の意思を発揮する野島には好感が持てます。

同じ三角関係の構図の漱石『こころ』とはあまりに対照的な描き方ですが、こういうのも悪くないですね。


『文学少女』の三角関係(作中では男2対女1と女2対男1の二重三角関係となっていますが)は物語の進展に従い泥沼の様相を深め、芥川が追い詰められていくのですが、
遠子先輩解説の『友情』がこの関係に終止符を打つことになります。

『友情』の原作を読んだ方には、なるほど、それだけの力がこの作品にはあると実感していただけるかと思います。

毎度のことですが、文学とは生のヒントであり処方箋であることを遠子先輩には教えられる気がいたします。

☆4.0

帰るッす

2010年 08月10日 06:26 (火)

実家帰省前に遠子先輩完成を目論んでいたのですが、あと一歩で間に合わず・・・
徹夜までしたのに。

そんなわけでこれから帰省します。

途中立ち寄る東京で一箇所巡礼の予定。

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良い休みを!!

時には昔の話を

2010年 08月08日 02:09 (日)

盆休みに入ったはずが・・・土日も出勤とは
キー!!

ま、溜まったときはコミックでも

永遠の0(1) (アクションコミックス)永遠の0(1) (アクションコミックス)
(2010/07/28)
画・須本 壮一・作・百田 尚樹

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同名の小説が原作。
主人公は26歳無職、ドロップアウトしかけている司法浪人生。
ひょんなことから姉に祖父を調べる仕事を手伝わされることに。

祖父というのも、戦時中、パイロットとして歴戦を重ね、最後に特攻隊として戦死したこと以外はわからず。
存命の知人を伝に、聞き込みを続けるうちに祖父の輪郭が明らかになってゆく。

現代を生きる人間にとって、65年前の戦争とはなんであったのか、如何に定義すべきなのか、
そも、「戦死」とはなんなのか、色々考えさせる、深い内容のコミックです。

毎度この時期TVで放映される戦争ドラマやアニメよりは格段に迫力があります。

☆4.0


ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)ジゼル・アラン (1) (ビームコミックス)
(2010/07/15)
笠井 スイ

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fellows!にて連載中の100年前ヨーロッパを舞台にしたコミックです。

同時代(よりは30年くらい前かな)英国社会を舞台にした『エマ』を彷彿とさせる内容で当時の風俗など非常に興味深いのですが、やはり『エマ』のインパクトが強すぎて、失礼ながら二番煎じの評になってしまうのが惜しい。

非常に画力のある作家さんなので、もっと独自色を強く打ち出せば突き抜けた作品になるかと思います。

☆3.5

文学少女の世界(第2回)

2010年 08月02日 01:47 (月)

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)
(2006/08/30)
野村 美月

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嵐が丘 (新潮文庫)嵐が丘 (新潮文庫)
(2003/06)
エミリー・ブロンテ

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文学少女第2巻のお題はE.ブロンテの『嵐が丘』です。
『青い花』でも藤が谷の演劇の題材として登場してますね。

『嵐が丘』とは・・・

イギリス北部の通称「嵐が丘」と呼ばれる屋敷に住まう
アーンショウ家に、ある日主人が身寄りのない子をつれてくる。
主人はその子をヒースクリフと名づけ、息子ヒンドリーと娘キャサリン同様にかわいがり、育てる。
いつしかヒースクリフとキャサリンは両思いの仲となるが、自身に対する父親の愛情を奪われたと感じる
ヒンドリーからは憎しみの対象となる。
やがてアーンショウ家の主人は病死するとヒンドリーはヒースクリフを下男としてこき使うようになり、
キャサリンはヒースクリフを愛するにもかかわらず、隣家のリントン家のエドガーの結婚申し込みを受け入れてしまう。
激しい失意の中、ヒースクリフは嵐が丘を去る。

3年後、財と教養を身につけたヒースクリフは再び嵐が丘へと登場する。
自分にこの上ない失意を味あわせたアーンショウ家とリントン家への憎悪と、そしてキャサリンへの偏執ともいえる愛情を胸に秘め。

そしてヒースクリフの非情なる復讐が幕を開け、アーンショウ家とリントン家は破滅の坂を落ち始める・・・。
そのときキャサリンは?

そんな壮大(文章量も膨大)な物語です。


で、肝心の文学少女の評価ですが、ストーリーの謎は、本編が『嵐が丘』に範を取っていることがわかればすぐ回答が見つかります。
天野先輩も持ち前の文学知識で謎解きをするのですが、最後の最後で、物語の中心にある人物の心理を読みきれず、また読者をもアっと言わせるところがあるのがこのシリーズのスパイスなような気がします。

では嵐が丘を読んでから本編を読むのでは面白みが半減するかというと決してそんなことはなく、作中語られる天野先輩流の嵐が丘解釈にも驚かされるところがあり、嵐が丘の物語にも一層の深みが生まれる相乗効果。
(ただ、この方面に詳しい方の間ではこのような嵐が丘解釈の説は常識なのかもしれませんが・・・)

☆4.0