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ラスエグ~銀翼のファム~ 感想

2012年 03月30日 02:55 (金)

ラストエグザイル-銀翼のファム-O.S.T.2ラストエグザイル-銀翼のファム-O.S.T.2
(2012/03/28)
黒石ひとみ、Hitomi 他

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なんだかんだで放映から一週間たってしまいましたが、
『LASTE EXILE 銀翼のファム』
最終放送を観ての感想、本日買ってきたサントラ2を聞きながら更新です。

*以下、激しくネタバレを含みますので、一応隠しで
前回途中感想を述べてからの経緯。

アデス連邦内で、ルスキニア総統の容赦のない武断統一に異を唱えたヴァサントをはじめとする重臣は皇帝サーラを奪取。
天然の要塞ボレアースに立て籠もり押し寄せるルスキニア派の諸兵を迎撃する。


ここの展開が私にとっては一番燃えましたね。

オーランとソリューシュの若き日の友情。

ルスキニアに従うのか、サーラの意思を尊重するのか。

この決断が二人に戦火を交えさせることになるのですが・・・

そして次にやってきたサドリ元帥の「老獪」この上ない戦術。
いや、しびれるぜ。

アウグスタの意思により一旦は戦火が収まった戦場、そこをふたたびテロルの凶弾が見舞う。
テロルの凶弾を放ったのはアデスにより故国を滅亡せしめられた戦士。

予定されていたかのような「和平の崩壊」により再び動き出すルスキニア。

ルスキニアの手により起動された人類最強の「兵器」グラン・エグザイル。

グランエグザイルより、ルスキニアは宣言。

グランエグザイル元、全世界は再び統一される、従わぬ分子にはグランエグザイルより鉄槌が下されると。

しかし武力統一には従わぬ人々がいた。

サーラの意思を尊重するアデスの軍人、ミリアをはじめとする各国人々、その中に空賊たちとファムもいた。

グランエグザイルの生体キーとなったサーラをめぐる攻防が幕をあける。


わけですが(前置きが長くなりましたが)物語の最終回としてはかなり考えさせられるところがありましたが。
感想、2点要点をまとめますと

・ルスキニアの最期は潔すぎたのではないか

今作の図式はファム=ユートピア的理想主義、ルスキニア=リアリズム的国際政治認識、そしてその中で答えを見つけ出そうとしていたヴァサントをはじめとした諸登場人物がいたなかで、ルスキニアがファムに「君達が来てくれて本当に良かった」とサーラをあっさり引き渡すシーンは少々拍子抜け。

他作を見てみますと、コードギアスのルルーシュに近い死に方ですね。

世界の憎しみの連鎖を止められぬなら自分が全てを背負って死のう、と。

しかし積年積もった憎しみとは一個人の死では解消されないのだよ、ルルーシュ、ルスキニア。


・全てが終わった後、平和を担保するものは何?

アデス(ルスキニア派)は完全武装解除されましたが、サーラ幼帝を補佐するのがオーラン、さらに和平宣言に立会人として出てきたのが前作アナトレーの皇帝だったことを思えば、アニメでは武力なき平和を演出していますが、結局は武力が背景になければ平和は達成されなかったのではないかとおもわずにはいられません。

私はやはりルスキニアの情勢認識は冷徹ながらも的確だったという思いますね。

人類は前世紀から千万を越える死者を生み出す戦争を、経験してき、今もなお戦争を繰り返してきましたが、そのほとんどは軍事的バランスの崩壊と「崩壊した」と当事者が誤認する例が大半だったと思います。

第一次大戦のドイツ帝国の明らかに客観的情勢を欠いた国際情勢認識による参戦、第二大戦前夜のヒトラーの冒険主義を「宥和外交」の名の下容認してきた英国外交の失策とそれが招いたヒトラーの暴走、最近では湾岸戦争時の米国の過剰なまでの(「ベトナム後遺症」の影響もあるのでしょうが)対外不干渉の姿勢と、それを誤解してクェート侵略を開始したサダム・フセイン。

欧州の「信頼醸成」に一定の効果が認められる事例は別として、この極東をはじめ、国際情勢はいまだリアリズム的世界が展開されてるのが現状だと思います。

極東は特に峻烈を極める国際情勢にあります。

そこに「仮初」としても、平穏状態が構築できるのは、軍事による均衡だというのが、私の現状における認識です。


と、かなり長文かつ迂遠な言い回しになりましたが、何がファムが良かったかというと、この私にとっては最後まで「正義」とは「道義」とは?そこに回答はあるのかをのど元まで突きつけてくれた作品であったということ。
前作ラスエグは私の美意識を180度転換させませした。近作は私の政治思想を揺るがしました。
二度にわたって心揺さぶられる作品を見られたのはそれだけで幸せのきわみであります。

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2015年05月15日 16:19

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