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有頂天家族2舞台探訪記①

2017年 04月10日 08:25 (月)

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あるとき老狸はこう言った。
「狸の喧嘩に天狗が出る。これは駄目ぢゃ」
「天狗の喧嘩に狸が出る。これも駄目ぢゃ」
私はその言葉が気に入らなかった。

(『有頂天家族 二代目の帰朝』P167より)

下鴨矢一郎と夷川早雲の偽右衛門選挙が、金曜俱楽部を巻き込んでの一大騒動に終わって半年

ときは青葉が鴨川沿いに繁る5月。かつて京都にその権勢を誇った夷川早雲は雲隠れ、矢一郎は次の偽右衛門選挙への準備をに余念がなかった。一方の弟、矢三郎といえば、「むつかしい本」を読みふける矢四郎を従えて「ツチノコ探検隊」と称して野山を歩き回っていた。
一見平和が戻ったかに見える京都、しかし次なる波乱は海の彼方を越えてやって来る・・・

2013年にアニメ化された小説『有頂天家族』。その続編となる『有頂天家族 二代目の帰朝』が待望の続編アニメ化です。もうあれから4年経ちましたが、再びP.A.WORKSをはじめとした製作陣が結集しました。わたしたちを魅了した「森見ワールド」、大ヒットアニメの製作陣が再びとあればいやが上にも期待が高まりますが、それでは今回も美麗に再現された京都をオモチロおかしく紹介していきましょう。

有頂天家族舞台探訪記(第一期)


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第一話:狸谷不動院
ここに一つ、毛深き恋の物語がある。

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第一話:狸谷不動院
今は昔、左京区一乗寺狸谷不動の森に、桃仙という名の狸の雌が暮らしていた。

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第一話:狸谷不動院
桃のように瑞々しくて、仙人のように身が軽い。

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第一話:狸谷不動院
参道の二百五十段もある階段で朝から晩まで遊んでいた。

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第一話:狸谷不動院

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第一話:狸谷不動院

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第一話:狸谷不動院
彼女を軽んじるようなぼけなすは、「くたばれ!」の一言で撃退された。

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第一話:狸谷不動院
近隣の子狸たちは畏敬の念をこめ、「階段渡りの桃仙」と呼んだ。

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第一話:狸谷不動院
ある日のこと、馴染みのない子狸たちが狸谷不動へ乗りこんできた。

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第一話:狸谷不動院
当時狸界を席巻していたツチノコブームに煽られて「ツチノコ探検隊」を標榜し、近郊の山々を荒しまわっていた悪童たちである。

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第一話:狸谷不動院
歌いながら階段をのぼってきた悪童たちは、途中で桃仙と出会ったが、彼女の勇名を知らない彼らは居丈高に出た。

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第一話:狸谷不動院
「そこのけチビスケ」
「なんだとコンニャロ」
桃仙は憤激し、悪童たちをぽこぽこ蹴落とした。
「くたばれ!」



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第一話:狸谷不動院
それからというもの、参道の長い石段をめぐって、狸谷不動の子狸たちとツチノコ探検隊による陣取り合戦が繰り広げられた。桃仙はよく戦って自分たちの縄張りを守ったという。

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第一話:狸谷不動院
やがて歳月が過ぎ去り、

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第一話:狸谷不動院
白無垢姿となった桃仙は、かつて守り抜いた二百五十段を下っていった。

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第一話:狸谷不動院
狸谷不動をあとにして、嫁入り先の糺ノ森へ向かうのである。

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第一話:狸谷不動院
この世に毛深き恋なかりせば、下鴨家の兄弟は毛一筋だに存在しなかった。
玉のような毛玉たちが生まれたその先は、毛深き愛の物語となる。

(以上『有頂天家族 二代目の帰朝』P60〜61より)

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第一話:如意ヶ岳(大文字山)
「わたしはその三男として糺ノ森に生を受けた。」

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第一話:四条花見小路付近
「しかし無念なことに、偉大な父を引き継ぐには、ちょっぴり器が足りなかったようで」

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第一話:加茂大橋
「父亡き後、我ら糺ノ森の兄弟は立派な父の血を引き損ねた阿呆たちと言われてきた。」

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第一話:如意ヶ岳(大文字山)
「しかし、父から受け継いだ阿呆の血を身のうちに流す狸として、他にどういう生き方があったろう。阿呆の道より他に、我を生かす道なし。」


そして本編へ。


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第一話:下鴨神社
「そのツチノコっていうのは、タケノコみたいなものなの?」
「全然違いますよ、母上。」

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第一話:下鴨神社
「ヘンテコな蛇ね。きっとお肉はぶりぶりしてるわね。これは美味しくない。美味しくない!」
「だから、食べないですってば。」
下鴨総一郎の血を受け継いだ矢三郎はツチノコに興味を持った様子ですが、母は全く解する気配なし。

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第一話:下鴨神社
「そういえば、総さんも若い頃そんなの探してたっけ。」

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第一話:下鴨神社
「ほんとにもう呆れてしまうわ。狸の子っていうのは変なものに夢中になるものだからね。」

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第一話:下鴨神社
さらに通りがかった矢一郎が矢三郎の説教を始めますが、興味を示さない矢三郎は早速、矢四郎をツチノコ探検隊員1号に任命。

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第一話:六道珍皇寺
「というわけで、誰もツチノコのロマンを理解してくれない。」
矢三郎は珍皇寺の井戸にこもる蛙となった矢二郎を訪ねます。

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第一話:六道珍皇寺
「おれは蛙だから」ということでツチノコ探検隊へは協力できないと断られた矢三郎。

さて、その頃弁天は世界一周クルーズへ出かけてました。

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第一話:高野川(出町橋付近)
思い起こすはこの春先。
「世界一周クルーズ?どうして急に?」
「だって、退屈したんだもの。」

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第一話:高野側(出町橋付近)
「気が向いたら手紙を書くかもしれないわ。」

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第一話:高野側(出町橋付近)
「おーほっほっほっほっほ〜」
と高笑いのまま、桜の花びらとともに京都の街から姿を消した弁天でした。

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第一話:如意ヶ岳(大文字山)
そしてたった二人のツチノコ探検隊として如意ヶ岳へと入った矢三郎、矢四郎でしたが、そこで出会ったのは倫敦から「帰朝」した「二代目」如意ヶ岳薬師坊、すなわち赤玉先生の「息子」。

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第一話:如意ヶ岳(大文字山)
「二代目の帰朝」!。この一大事を知らせるために京の街に駆け下りる矢三郎でしたが・・・

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第一話:如意ヶ岳(大文字山)

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第一話:如意ヶ岳(大文字山)
赤玉先生の住居、コープ枡形を訪問した二代目を赤玉先生に化けて迎え撃ったりと、その胆力をすっかり気に入られた矢三郎は鞍馬天狗に打ち捨てられた倫敦土産の家財道具を探しまわることに。

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第一話:四条花見小路付近

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第一話:祇園巽橋下る
「二代目のことを偽右衛門の八坂さんが、お前から意見を聞きたいそうだ」ということで、矢一郎に引き連れられて矢三郎がやってきたのは祇園。

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第一話:祇園巽橋下る
さて、「二代目の帰朝」を八坂さんに伝えに来た矢三郎がやってきた肛門診療所は、祇園は巽橋を南に下ったところのようです。花見小路の一本西ですね。

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第一話:南座
そして教えられるのは100年前、大正時代に京都で繰り広げられた薬師坊と二代目の大決戦。
しかし「父親」との三日三晩の親子喧嘩に破れた二代目は海外へと姿をくらましたのでした。

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第一話:祇園巽橋下る
「ところで、赤玉先生は二代目が帰朝されたことを知っているのか?」

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第一話:祇園巽橋下る
「いや、知らないと思う。」

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第一話:京都ホテルオークラ
しかし既に「二代目の帰朝」が赤玉先生にも筒抜けで、こともあろうか赤玉先生は二代目に果し状を届けるよう、矢三郎に命じます。
ところで、二代目が滞在しているのは河原町御池の京都ホテルオークラ。

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第一話:東華采館
さて、赤玉先生が二代目に果し状を送った時刻が迫る四条河原町。

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第一話:東華采館
赤玉先生の親友・金光坊も東華采館のビアガーデンで読書をしながら「そのとき」が来るのを待ちます。

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第一話:菊水
菊水のビアガーデンでは薬師坊のオンボロ姿を見ようと宴会を開く鞍馬天狗の姿。

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第一話:南座
何も知らず四条大橋を通り過ぎる地上の人々。

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第一話:南座
しかし、そのとき二代目が南座に舞い降り、いよいよ薬師坊如意ヶ岳との100年越しの因縁の火ぶたが、切って落とされようとしていました。

***

こちらからはEDになりますが、モチーフとなったのは弁天が世界周遊中に立寄り、また二代目が100年間雌伏のときを過ごした英国の様子になります。

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第一話:家邊徳時計店ビル
こちらは第一期三話でも登場した、謎の時計台です。
この時計台のモデルについては明らかにされていませんが、三条寺町近くにある家邊徳時計店ビルがモデルであるというのは、私もかつてから主張してきたところであります。
参考:有頂天家族探訪記③

さて、『有頂天家族2』第一話の背景紹介は以上となります。第一話からこれまで登場しなかった一乗寺の狸谷不動院や、如意ヶ岳の大文字やその山道が登場するなど、なかなか観光客では行かない場所なのでは?という少しマニアックな名所が登場しました。
原作どおりですと、今回は第一期以上に舞台が広範(ひょっとすると京都府外も!?)になるやもしれませんので、期待して次回を待ちましょう!



*引用画像は全て比較研究目的で掲載しており、著作権は全て「有頂天家族2」製作委員会にあります、ので。

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No title

2017年04月12日 11:45

作画がトレースを超えた何か凄いものになってましたね
素晴らしい写真ありがとうございます

Re: No title

2017年04月18日 08:54

コメントいただきありがとうございます!第二話以降の記事もご笑覧いただければと思います。