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『二十世紀電氣目録』舞台解説

2021年 07月12日 21:58 (月)



「京都×恋×明治」をテーマにアニメ化プロジェクトが京都アニメーションによって公表された小説『二十世紀電氣目録』ですが、先日公開された京アニのCM・明治編によって一部映像化が実現しました。
原作小説作者・結城弘氏による丹念な歴史研究と知識によって再現された明治末期の京都の様子は、読者の想像力を十分にかきたててくれるものでした。そしてこれを多くの人気聖地巡礼作品をプロデュースしてきた京アニがアニメ化するとあれば、果たしてどのようにして100年前の京都を再現してくれるのか、もうワクワクが止まりません。
というわけで今回は小説カバーイラストやCM映像から明治末期の京都を解説していきましょう。


【京都駅初代駅舎】
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(写真出典不明:展示会にて筆者撮影)
キービジュアルとして写っているのは京都駅初代駅舎で1877年に開業。用地取得の容易さから繁華街であった三条・四条から離れた八条通付近に設置されました。位置としては現在の京都駅前のバスターミナルにあったとされ、京都市電も乗り入れていました。

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(現在の様子)

【伏見の酒蔵】
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(写真出典:月桂冠ホームページより)
本作の主人公百川稲子は伏見出身ということで、当時の伏見の酒蔵の様子が冒頭に登場。煉瓦造りの煙突などは現在でも一部残っており、当時の姿を現在に残しています。


【伏見稲荷大社】
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(写真出典:ジャパンアーカイブズ

こちらは日本観光名所1位を獲得した伏見稲荷大社。興味深いのは参道の大鳥居の両側に当時は狛犬がいたことですね。現在では灯篭に置き換わっています。さて、このカットでは登場していませんが、大鳥居の反対側には稲荷駅があり1879年に京都から大谷駅までが完成し、東海道本線が開業した当初は京都駅の次の駅でした。以降、1925年東山トンネルが開通すると東海道本線から外れて奈良線の駅となりますが、作中の20世紀初頭ではまだ東海道本線でした。現在の駅構内には日本最古の「ランプ小屋」が残っています。

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(現在の様子)


【新京極通】
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(写真出典:新京極商店振興組合公式WEBSITE

新京極通の歴史は比較的新しく、1872年に京都府参事槇村正道が東京遷都により衰えていた市民の士気を盛上げるべく付近の寺院を整理して通りを作ったことが始まりです。寺町通は多くの寺院があることから縁日などでにぎわいを見せており、新京極通にも芝居座、浄瑠璃、寄席や飲食店が立ち並び、明治中期には東京の浅草、大阪の千日前とともに日本の三大盛り場と呼ばれるほどのにぎわいだったようです。
商店街ホームページの解説によると錦から北を見たところらしいですが、写真左奥には1775年創業の和装小物屋で現在は寺町に本店を構える「ゑり正」があるのが興味深いですね。

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(現在の様子)


【四条大橋】
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(写真出典:三井住友トラスト不動産

四条大橋を南東から東詰を写したアングルになります。赤い欄干が印象的ですが1884年に建造された鉄橋で、1912年に市電を通すために鉄筋コンクリート製に改造されるまで市民に親しまれました。奥に見える特徴的な建物は料理屋藤屋で、その隣に同じく料理屋浪花楼があります。

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(現在の様子)


以上、わずか30秒ほどのCMですがものすごい情報量のある映像でしたね。アニメ本編を見ることができるのはまだ少し先になるかもしれませんが、楽しみに待っています。

*引用画像は全て比較研究目的で掲載しており、著作権は全て京都アニメーションにあります、ので。
また比較研究目的のために古写真を引用させていただいております。ご指摘がありましたら削除いたしますので大変お手数ですがご一報いただけますと幸いです。

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